2008年5月22日

少女七竈と七人の可愛そうな大人


桜庭 一樹
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レビュー:
地方都市で決して美人でも特に人目を引くわけでもなく、ごくごく平凡な生活を過ごしてきた川村優奈。
特に誰かに凄く愛されることも無くモテるでも無く育ってきた優奈は、ある朝、突然のように男遊びに目覚めてしまう。
七竈のように七人の男と・・・。

七竈はそんな優奈の元に生まれた一人娘。
しかしその容姿は平凡な優奈とは全く違い異形とも言える美女。

父親が誰かも定かでない七竈と七人の可愛そうな大人。

リズミカルでちょっと皮肉ったり妬んだりしているような文章が非常に面白いです。
こんな文章の書き方もあるのか・・・と正直思いました。

で、物語はと言うと舞台の設定は限りなく現実的だけどユニークさのある世界観で面白いです。
ただし、何かそこから生まれる深さ・・・みたいなのがちょっと少ないように感じてしまいました。

半分も読まずして世界と裏舞台が想像できてしまうし、最後も薄々読めてしまうようなところがあります。
物語の展開も静かに流れていく感じなのでなおさらかもしれません。

ただし、七竈の最後の選択と行動に関しては非常にセンチな気持ちになってしまいました。
きっと誰しもが選択をして何かと別れる経験をしていると思うので共感出来る部分は強いんじゃないかな?と思います。

「自分で選んでいるつもりでもね、選ばされている。」

奥深いけどすごくわかるなー。

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