2008年5月10日

戦争の法


佐藤 亜紀
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レビュー:
日本のとある県が突如独立宣言を行い街にはソ連が駐在するようになった。
ある種の無法地帯へと移り行く中で、ソ連兵士から闇商売で小銭を稼ぐようになった主人公はやがて反政府組織(ゲリラ)へと身を投じていく。

ゲリラ時代に出会った伍長。
戦争、伍長を通して主人公が見に付けていくものはいったいなんなんだろう。

話の大筋としては、日本国内の某県が独立を行ったが故に始まった戦争の話です。
非常にドライに事象を綴ったようなタッチで物語が進んでいくのですが、その根底にあるのは世の中に対する中傷?違う、蔑すんだような目線。

しかしながら自らが愚弄した馬鹿馬鹿しいとさえ感じる世の中のルール、奢り、そんなものに徐々に染まっていくその滑稽さ。

誰も侮辱する事が出来ないと思う。
少なくても似たように世の中の馬鹿馬鹿しさと言うものを感じた人はいると思うし、そして染まっていく自らを滑稽と感じた人もいると思う。

それでも頑なに内に秘める高潔さ。

まるで、読者を置いてけぼりにするかのような独走的な世界観は、かなり凄い。
ただ、ちょっと読み疲れました。苦笑

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