2006年6月22日

レッド・ドラゴン(上)


トマス ハリス, Thomas Harris, 小倉 多加志 / 早川書房(2002/09)
Amazonランキング:7,935位
Amazonおすすめ度:
個人的おすすめ度:
読後の痛ましさが胸を刺す
竜の膝元で
最高の完成度を誇る名作

レビュー:
時代的には「羊たちの沈黙」より前。

怪物ハンニバル・レクター博士を逮捕したウィル・グレアムを主体とした話です。

精神異常者の犯罪捜査に非常に有能な才能を持つウィル・グレアムはハンニバル・レクター博士の逮捕に多大なる貢献をしたが、捜査官を退き結婚して別の仕事に就き平穏な日々をすごしていた。

しかし精神異常者の犯罪はなくなるわけではなかった。
満月の夜に一家全員を惨殺し動機・目的・行動が通常では考えられないといった事件が起こっていた。

「羊たちの沈黙」にも登場したジャック・クロフォード捜査官は、ウィルを呼び戻し捜査の協力を求める。

「噛み付き魔」と呼ばれる犯人を追う物語が始まっていくわけです。

ジャック・クロフォード、ウィル・グレアム、ブルーム博士そしてハンニバル・レクター博士・・・
彼らが事件に深く関わっていき犯人がどのような人物かが浮き彫りになっていくところで上巻は終了です。

若干、話の展開が遅い感じがします。

でも「羊たちの沈黙」よりは読みやすい文章になっているので、サクサクっと読めるのが嬉しい。

羊たちの沈黙では、クラリス・スターリング捜査官のプロファイリングや精神分析。
そしてレクター博士との神秘的なやりとり・・・と見所はかなりありましたが、レッド・ドラゴンの上巻はまだ物語の前半ということもあり淡々と進んでいく感じがあります。

ウィル・グレアムは、クラリスのように精神分析をして犯人に迫る・・・というわけでなく犯人の心境をトレースする・犯人になりきる・・・そんな感じで捜査を進めていきます。

個人的にはクラリスの捜査を読んでいる方が面白かったなぁなんて思いますが、そこは後半に下巻に期待したいところですね。
まだハンニバル・レクター博士も事件に深く関与していない状況なので、かなり続きが気になると思います。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
https://schwarzekatze.sakura.ne.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/3919

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)