2006年8月27日

温室デイズ


瀬尾 まいこ / 角川書店(2006/07)
個人的おすすめ度:

レビュー:
楽しく授業を受けていた小学校の低学年。
それが高学年になりイジメが始まり教師への反抗が行われやがて学級崩壊となる。

主人公は、その時にクラスの中心にいた女の子。
人をいじめる事、教師に反抗すること、学級崩壊すること。
本当は駄目なこと嫌なことだと思っているけど、当時は自分自身を制御しきれず悪戯に人を傷つけてしまった。

中学校に入り自分が最も傷つけてしまった子と同じクラスになる。
ずっと自分のせいで転向してしまったのかもしれないと後ろめたさを持っていたけど、やがて一番の親友となっていく。

1年・・・2年と順調にクラスもまとまりを見せ平穏な生活が続いていた。
しかし、3年に入りクラスに学級崩壊の兆しが見え始めた。

教師への反抗、誰も聞かない授業。
いつか誰かへのイジメが始まるのではないかと、ひやひやしていたとき親友にその矛先が向き始めてしまう。

根は真面目で真っ直ぐな主人公は、クラスメイトがいる中、先生に申し立てをする。
その結果、予想通り翌日から主人公は大々的にいじめられることになる。

モノを取られたり、
捨てられたり、
陰口を言われたり、
仲間はずれにされたり、
殴られたり・・・。

孤立してしまったけれど、学校は行かなきゃいけない。
おかしいのはクラスの雰囲気だ。

そう頑なに信じて、何度も挫けそうになりながらも強く自分を貫き通す。

そんな近年の学校の問題を子供の視点で書いた作品です。

この本を読んですっごく引き込まれてしまったのは、おそらく瀬尾さんのファンだからじゃないなぁと読み進むにつれ確信しました。

ここ数年はわからないけれど、イジメや授業が崩壊するなんて事は結構前からあったりしたので、共感出来る人も多いのでは?

私の場合は、当事者であり傍観者でありました。
イジメの矛先が来ても全く眼中にないどころか視界に入っていないか如く流して、彼らが飽きるのを待つ。

ずっとそんな事して何が楽しいのかなぁ?なんて、高校卒業するまで疑問だった。
でも実は大人の世界でも同じ事が卑しくも行われているので、どうしようもなく自分をコントロール出来ず本能で生き何も考えていない人が多いという事でしょう。

余談ですが、私はそういう人とは友達にならなくても良いと考えちゃうので、それなら一人で楽しもうなんて考えたりします。

本当の孤立はつらいけれど、自分の気持ちをわかってくれる人が一人でもいれば結構大丈夫。

重松清さんといい瀬尾まいこさんといい、この手の問題に疑問を抱き時には馬鹿馬鹿しく感じる人がいる。そう思うとなんかちょっと嬉しい気分です。

温室から出たときにつらい想いをするのは、当事者でなく周りの傍観者や加害者側の人間かもしれないなぁと思います。

自分の学生時代と照らし合わせて読むと結構面白いです!!

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コメント

楽しく個人とか始まり
よしおが、自分自身とかを制御しないかもー

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