2006年6月28日

レッド・ドラゴン〈下〉


トマス ハリス, Thomas Harris, 小倉 多加志 / 早川書房(2002/09)
Amazonランキング:7,934位
Amazonおすすめ度:
個人的おすすめ度:
読後の痛ましさが胸を刺す
竜の膝元で
最高の完成度を誇る名作

レビュー:
下巻ということで物語りはドンドンと話を変えながら進んで行きます。

「噛み付き魔」と呼ばれる精神異常者による犯罪の矛先を変えるためにタトラーの記者を通じてウィルにそむけるような記事を書かせるのです。
しかし、結果的にタトラーの記者が真っ先にやられてしまいその時から「噛み付き魔」は「赤き竜」と呼ばれるようになります。

彼は「赤き竜と日をまとう女」の絵の竜と一心同体になるべく犯罪を続けているわけです。
しかしあるきっかけがもとになり「赤き竜」との対立が始まります。

赤き竜と噛み付き魔とのやりとりが非常に面白い!!

噛み付き魔の幼少時代の話も結構心打たれるエピソードがあったりして、羊たちの沈黙の犯人よりも知的で高等な感じがします。
その分、いろんな尺度から物語が綴られており引き込まれる話は多いのですが、レクター博士の登場シーンが極めて少ないのがちょっと残念です。

でも要所要所に出てくるレクター博士の言葉は気持ちが悪いくらい事件を予見しているもので、なんとも憎らしいです。

それにしても・・・赤き竜の最後の瞬間はかなり意外な展開です!!

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