幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC (講談社文庫)
Amazonおすすめ度:
個人的おすすめ度:
もう一度読みたいという気が起こらない
森博嗣マイベスト
レビュー:
かつて一世を風靡したマジシャン有里匠幻。
あらゆる場所からの脱出を特異として現代マジックの礎を築いたマジシャンだ。
そんな彼も表舞台に出てくる回数が減少し大衆の記憶の奥底に潜む存在となっていた。
そんな彼の弟子達が西之園萌絵の住む街でショーを開く。
そこで匠幻のマジックショーが近々開かれる事を知った萌絵は、院生の浜中と犀川助教授を連れてショーを見に行く。
マジックの内容はロープで縛られて箱に詰められる。
そして箱は何重にも鍵をかけられる。
その箱が水没したり爆発したり・・・そんな状況から無事に生還するというものであった。
匠幻はマジックをこなし最初とは違う衣装で大衆の前にマジックの成功を披露した・・・かに見えた。
再登場した彼の胸にはナイフがふかぶかと突き刺さっている。
マジックの最中に殺害されるという二重の謎を秘めた事件。
誰がどのようなトリックで殺害したのか!?
手品師が出てくる為、かなり凝ったトリックになっているのでは?と期待が膨らむ作品です。
トリックに重点が多く置かれている感はあるものの森博嗣氏らしい作風が随所に散りばめられていて、とても良い作品だと思います。
今回は、事件の解決の大きな糸口を萌絵が切り開くといった所もあり萌絵の確実な成長と、犀川との関係そして真賀田四季・・・といろいろ気になるトピックが思い返されるのが魅力的です。
「ものには名前がある」
なかなか深い意味が込められています。
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