2006年8月17日

慟哭


貫井 徳郎 / 東京創元社(1999/03)
Amazonランキング:50,245位
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個人的おすすめ度:
後味悪いです
素直に驚いた。
絶句!

レビュー:
警視庁捜査一課の佐伯課長は、キャリア組みのエリート捜査官。

彼は大物政治家の隠し子で、彼の今までの人生では大学進学や結婚といたるところで、忌み嫌っている親の存在が後ろ盾になっている事が多い。

そんな彼はキャリアだからとか親の七光りと思われるのが嫌で、難事件も多い捜査一課への配属を志望し実力を如何なく発揮しようとしている。

そんな時、幼女連続誘拐殺人事件が発生した。

彼の実力を試される難事件に対し毅然と立ち向かう佐伯だが、彼を待ち受けるのはあまりにも大きい壁や問題の連続。

果たして彼は事件を解決できるのだろうか?
そして、作中に登場する宗教にのめりこんで行く謎の人物は何者なのか?

確かに驚く結末が待ってます。

佐伯課長の捜査及び彼を主体とした物語と、娘を亡くし宗教にのめりこんで行く謎の人物の物語が交互に綴られています。

正直、かなり最初の頃に「ひょっとして・・・?」と思いながら読んでいたけどまさかその通りの結末になるとは思わなかった・・・。

固定概念に捕らわれずちゃんと文章から真実を汲み取らないと駄目だなぁと思い知らされた作品です。

ラストが近づくまで結末に確信が持てなかった事にちょっと敗北感を覚えてしまいました。苦笑

いろんな事象への説明的な部分もあり全体的にダレて長くなりがちな作品だけど、短い章毎に二つのエピソードが交互に書かれており疲れずにスラスラと読めるのが面白い。

人間の心の弱さと表向きの強さ。
そういったことを上手くまとめあげている作品だと思います。

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