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レビュー:
第一次世界大戦前後のドイツ・オーストラリアを舞台とした諜報員の物語。
「感覚」という異能の力を使い戦争を未然に防ごうとしたり、勃発してしまった戦争を和平へ導くために活躍したりする。
物語は主人公のジェルジュ・エスケルスが顧問官(スタイニッツ男爵)に拾われるところから始まる。
拾われるというのは本当に拾われる。
孤独児になったジェルジュの非凡な才能(多大な異能の力)を見初めて、自分の所で貴族としての振る舞いを教育する。
成長と共に様々な自己主張や見解を持つようになるジェルジュは、挫折・苦難・ささやかな安らぎを経て成長していく。
諜報員として、必ずしも上司に忠実ではないところを見ると素晴らしい成長ぶりと言う訳ではないが、その辺の血なまぐさい・人間臭い・泥臭い精神構造が、すごく共感を持てる。
一回目に読んだときは、「感覚」という感覚についていけなかった・・・。
というのも作者が人物や時代背景・設定について何も語らず話を進めてしまうからだ。
物語は主人公のジェルジュ・エスケルスを中心に書いているので、彼については成長と共に理解することが出来る。
だけど、顧問官が何者なのか?
メザーリはいったい何者なのか?
その他の登場人物や「感覚」の概念については、かみ締めるように最後まで読まないとわからなかった・・・。(ただオイラに学がなかったって話もあるかもしれないけど・・・)
でもその曖昧さ・わざわざ説明してしまうことで、物語性が損なわれてしまう事が全くない分、全てが見え始めたとき吸い込まれるような錯覚の中でページをめくる事が出来る。
もっともオイラは二回目でそう感じましたけどね。笑
私の誕生日に友達からお祝いでもらったこの本。
友達は何とも良いチョイスをしてくれたんだろうと感謝です♪
Der Engel
この本は、読めば読むほど面白くなっていく不思議な本。
自分にも異能の力があれば・・・なんて妬みに似た妄想を抱いてしまうけど、すごく面白いので一読・・・いや二読、三読あれ!!
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