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翼―cry for the moon


村山 由佳 / 集英社(2002/06)
Amazonランキング:11860位
Amazonおすすめ度:
個人的おすすめ度:
命の再生、そして永遠
村山由佳流西部劇
やっぱりサイコー!!

レビュー:
幼少時代に父親の自殺を目の当たりにし、母親には不幸の種と扱われクラスメイトには虐められ・・・と多難な時代を過ごしてきた主人公の真冬。

日本を忌み嫌いニューヨークで暮らす真冬は大学院生。
度々、悪夢にうなされたり人を愛すると言う気持ちがわからないとトラウマを抱え続けている。

そんな彼女にプロポーズをして来たのは、彼女の大学の教師ラリー。
とても優しく頼もしい存在ではあったが、彼には難しい問題があった。

前妻との子ティム。
ティムはラリーの前妻から虐待を受けており精神的に非常にアンバランスで未発達な要素が多い。
真冬は心理学の情報をかき集めまるで宝石でも扱うかのようにティムに大切に慎重に接していく。

そして、ラリーとの結婚が決まり結婚式の日。
ラリーはニューヨークでは良くある強盗事件に巻き込まれ真冬の目の前でタキシードに身を通したまま亡くなってしまう・・・。

非常に現実的なアメリカが描かれています。

様々な問題も包み隠さず描き、人の弱さや潜在的に眠っている強さ。
そういったものをラリーの家族やネイティブ・アメリカン、ニューヨーカーの姿を元に描かれています。

珍しくバッドエンドとは言い切れない前向きに進んでいく感じの終わり方が非常に気持ちよく読み終えられます。

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このページは、よしお@やおライダーが2007年5月19日 01:32に書いたブログ記事です。

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