佐藤 亜紀 / 文芸春秋(2005/01)
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天使のような悪魔のような
キャラクタと文体にしびれましょう。
陰鬱と退廃にまみれた賢明さ
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レビュー:
第一次世界大戦前後のドイツ・オーストラリアを舞台とした諜報員の物語。
「感覚」という異能の力を使い戦争を未然に防ごうとしたり、勃発してしまった戦争を和平へ導くために活躍したりする。
物語は主人公のジェルジュ・エスケルスが顧問官(スタイニッツ男爵)に拾われるところから始まる。
拾われるというのは本当に拾われる。
孤独児になったジェルジュの非凡な才能(多大な異能の力)を見初めて、自分の所で貴族としての振る舞いを教育する。
成長と共に様々な自己主張や見解を持つようになるジェルジュは、挫折・苦難・ささやかな安らぎを経て成長していく。
諜報員として、必ずしも上司に忠実ではないところを見ると素晴らしい成長ぶりと言う訳ではないが、その辺の血なまぐさい・人間臭い・泥臭い精神構造が、すごく共感を持てる。
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続きを読む: 天使 ?Der Engel?